女と男の恋愛図

3. 男は恋に夢中にならない

しかし、実際はこんなに上手く恋を愛にシフトできることは、ほとんどありません。
なぜなら甘いささやきだけの夢の世界へ、女性の心は運ばれてしまったからです。

「君だけが好きだ、君だけが美しい、君だけが僕の女神さま、君だけが…」
甘いささやきのお陰で、自分は世界一魅力的な女性だと思い込んでしまいました。
冷静に考えればそんなことはありえないのに、 二人だけの世界では、
それが当たり前なのだと信じたい心は、もうへなへな状態です。
普段の毅然とした彼女はどこへ行ってしまったのでしょう。
彼の甘いささやきが普通の言葉に変わった時、泣くしかなかったのです。

ところが、男性は女性が失恋の涙にくれていても、大して動じません。
女性が堕ちたほど深く恋に堕ちなかったからです。
女性が夢中になるほど、男性は恋に夢中になりません、なれないのです。
恋には半身浴みたいな男性の残る半分の心は、 この関係を社会的にどういう形で護るか、護らないかなど。

そこが女性と男性との絶対的違いなのです。
しかし、女性はよもや男性が人格の半分で恋をしているなど、 思いもよらないことですから、
その冷静さを裏切りだと感じてしまう。
恋もピークを過ぎると諍いが絶えないことになります。

しかし、時には男性も女性の様に恋に命を捧げることもあります。
この男性は、女性に近い感性で恋に堕ち、社会的責任感は希薄な場合が多いのですが、
女性にしてみれば、自分のために仕事も家族も投げ打った男性の心を
自分への強い愛だと勘違いしてしまいました。
晴れて結婚ということになり、いよいよ生活を共にしてから、 男性らしい社会的責任感の部分も
恋に堕ちていたことに困惑することになります。
ここまで来て、得恋したはずの女性も失恋しました。
なぜ、これ程の違いが女性と男性との間にはあるのでしょう。

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