女と男の理由

心と身体は自我をまんなかにしてバランスと取り合っています。
心がストレスをかかえたとき、その解決法を探る代わりに、 我慢という楽な道を選んでしまうと
病にまで発展してしまいます。

快適さを追求する生き方はダメで、我慢、忍耐してこそ人としては正しい生き方。
自分や家族のことより、仕事をまず大切に考えなければ社会人としては失格。

こんな考え方が、つい最近まで日本人の心に潜んでいませんでしたか。
自分のことを第一に考えることは、我がままで間違った生き方だという観念。
忍耐すること、耐える心を持って生きるこそ、身を弁えた美しい生き方である。
日本の伝統的美意識、または観念が、竹の根の様に心奥深い世界に潜行し、
どこかで芽を出そうと企んでいるようです。

私たちは、生まれたくて、地上に出現したくて、やっと奇跡的に誕生したのです。
人間に生まれて本当に良かったと思えば、自分流に生きようとして当たり前。
意志を押さえて忍耐に向うのは、かえって不真面目というものです。
植物、昆虫、動物でも犬や猫でもなく人間の子としてこの世界へ出てこられたのは、
何とありがたいことだったのでしょう。
そう思う者にとって、我慢を前面に出す生き方は、方向が違うと感じる。
差別社会の下層の生まれで、我慢を強制されているわけではないのですから。
忍耐や我慢を美徳とする考え方の中には、生命に対しての冒涜心があったことに気がつきませんか。
誰のために、何に向かって我慢していたのでしょう。
家族を食べさせるために、日々我慢を重ねたに決まっているではないですか。
あ、そうでしたね、ご苦労様でした。
常に、たくさんの人々の我慢で成り立っていた社会だったってことですか。
でも、我慢のために厄介な病気になるか、または癌になると言ったらいかがですか。
それでも、我慢は仕方がなかったとおっしゃいますか。
心が向く先を間違えて生きれば、その証明はあなたの身体に出てきます。
嬉しいな、ありがたいなと思う代わりに、人生は忍耐だと心を閉じ込める。
その時、体中を駆け巡る血液を想像しただけで、何か感じますでしょう。
我慢我慢を重ねる心のせいで、血液が酸性になり体に不具合が起こります。
ウイルスや細菌によるものではない、成人病、生活習慣病と呼ばれている病気。
つまり、心の生活習慣病、それが我慢する生き方によって発症するのです。
けれど、心が弱いために生活習慣病になる人たちは、感受性が強く、
上等な心の持ち主でもあるのも事実です。
このクリニックでは、心が原因となっている病について、少しでも快方へ向かうため
方法をお話いたします。




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