女と男の恋愛図

2. 女は必ず失恋をする

そのうえ残酷な話ですが、恋では女性が必ず失恋して泣く、と決まっているのです。
たとえ、ハッピーエンドの結婚にこぎつけたとしても、 男性からの強い希望で結婚したとしても、
女性は必ず失恋しています。

何故そうなってしまうのか。
恋する女性は心の回転軌道を90度逸らして、男性の回転軌道に同調します。
その結果、男性は二人分の強さになれるのに、 女性は反対で、自分らしさを保てないのです。
男性の積極性に乗せられるからそうなるのですが、 恋に酔い、自分を失くすことに
歓びを感じる女心にも 原因ありと言わざるを得ません。

「私はあなたの気に入る女性になって、一生あなたについて行きます」
「あなたの一部になってしまいたい」
これが恋に夢中になった時の女性の心の声なのですから、 失恋して当然でしょう。

では、女性は誰でも恋に堕ちたら、自分らしさを失って、 挙句果てに失恋するのかと言えば、
必ずしもそうとも限らないのです。。

恋に酔い、しかしその心を愛にまで昇華させる 素晴らしい心を持った女性もいます。
心が成長し、感性豊かな女性です。
恋から愛にシフトを切れて結婚ができたら、最高の人生。

では、こんな幸せを得られる女性の心は、 どんな立ち方だったか覗いてみましょうか。
彼女の心を覗きに行ったら、意外なことに強い嫉妬心に苦しんでいる最中でした。
彼の幼友達の女性を見る目つきが優しすぎると、嫉妬に苦しんでいたのです。
あまりの辛さに耐え切れず、思い切ってその気持ちを彼に打ち明けたようですね。
「子どもの頃から彼女とは仲良しで、今も好きだし尊敬もしているよ。 でも男友達と変わらない
感情なんだけどなあ、恋心なんて考えたこともないね。 君にも男性の幼友達っているでしょう」
「そんな返事はわざわざ言われなくても解っているわ。 でも私は嫌、許せない、嫌っ」
そう怒りながら心を言葉にしてしまったら、 公平な心が、ひょいと表へ出てきました。
そこで勇気を振り絞り、長い視線を瞳から出して 彼の心の中に進入してみたのです。
ここが、感情だけに流されず、勇気も感性もある、素敵な人の行動。
さらに立派なのは、彼の言葉を信じることにしたからです。
彼女の内心の声。
「そうよね、彼は嘘をついていない。彼女に恋心など感じてはいないわ。 確かに彼女は良い人だもの、
私だって好きになれる、友達になれるわ、絶対に」
すると、嫉妬心は消え、正直に話してくれた彼への感謝と尊敬とが戻ってきました。
同時に、そう思えた自分にも大きな誇りを感じられたのです。
彼を深く愛していることに気付いた彼女は、今までとは違う暖かい幸せ感の中。
「私たちは、思っていた以上に、幸せになれそうだわ」
情けない嫉妬心で彼の愛を疑うなんて、なんて馬鹿だったのかしら。
こうして、彼女は誇りをしっかり持って生きている自覚が持てたのでした。
遂に、彼女は恋の勝者になれたということです。

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