幸運のつかみ方

10.幸運は正直者が好き、嘘つきは嫌い


「あら、お髭をはやすんですか」
「ええ、皆さんが貫禄が出て良い感じだっていうものですから」
「はあ」

どう見ても、貫禄が出たとは見えないのは、私だけ感じ方が変なのかな。
では、髭をほめたと思われる人に、本心かどうか聞いてみよう。 

「う〜ん、髭は似合わないと思うけれど、本人が気に入っているみたいだから」
「で、貫禄が出てよく似合いますねって言ったわけ?」
「まあ、そういうこと」
「は〜、じゃあ嘘をついたんだ」
「そう言ったら元も子もないでしょう」
「嘘に元も子もあっては困りますよ」

結局、本人の髭を生やしたい気持ちを察して、心にもなくほめたってこと。
この嘘つきの心は理解しても、ほめられて満足している裸の王様は気の毒だ。
嘘をついたことを恥じていない心。
思いやりがある様で、実はムゴイ心の嘘つきは、自分は優しい人と信じている。
それにしても、平気で本心と違う言葉が出せて、しかもそれを反省していない。
どんな理由があろうとも、嘘は嘘、騙まし討ち。
特に悪いのは、相手を気遣うやさしい人を気取って、つく嘘。
自分が嫌われたくないだけ。
嘘つき、八方美人に、幸運は決して寄り付かない。
幸運の妖精は、頑張って本心を吐く心だけが好み。
うっかり嘘をついてしまったら、そのことを恥じる心が好き。

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