12歳のSさんへの手紙


自殺を考えていた少女の話


自殺したくなったこと、ありますね。
小学生の頃の私の話です。
毎週のように自殺をしようかと考えていました。
当時は東京でもマンションなどありませんでしたから、飛び降り自殺は思いつかず、
舌を咬むとか、毒薬を飲むとか、手首を切るか。
でも、舌を少し咬んだだけで痛くて、咬み切る勇気まではありませんでした。

よく思い出してみると、自殺したいと思う時は、誰かに仕返しをしたかった。
母親に叱られて怒っていました。 あんなに叱った母親への仕返しに、自殺してやろうと思ったのです。
私の死体を見て、自殺させた責任を反省させてやる。
母親への仕返しに自殺を考える、暗く嫌な考え方をしていた少女でした。

自分は何のために生まれて来たのか

でも、本当は、自殺を考える大きな理由はもうひとつありました。
自分は何のために生まれて来たのかわからなくて、生きる自信が持てなかったのです。
子どもと言ったって、8歳も過ぎれば結構真面目に思考しているのですよね。
神様の役に立つように生まれて来たのかな、とも思いました。
でも、神様は何でもできるし、姿は見えないと聞かされていたし…違うらしい。

人間は誰でもいつか必ず死んで、どこかでいつも新しい命が生まれてくる。
神様は、私に何をさせたくて生まれさせたのだろう。
何もさせようなんて思われないのかな。
「お前はいてもいなくてもどっちでも良いのだよ」ということなのかな。
いったい、私はどう考えて生きて行けば良いの?
何のために生きて行けば良いの?
生きている意味はあるの? ないの?

こんな悩みを毎日抱えていると、それがどんどん重くなって苦しくなりました。
どう生きたら良いかわからないのに、いつか死ぬことだけがわかっている。
ああ、死ぬのは怖い、いやいや、怖い怖い。
死ぬのが怖すぎて、自殺をしようとしたって馬鹿みたいですが、本当なんです。
死ぬことが怖くて怖くて、毎晩床の中で心が恐怖に押しつぶされていました。
ですから、自殺者は大きすぎる死への恐怖のために思考を止めるのでしょう。
誰かに、「お前の役割はこれだよ」って教えて欲しかった。
「お前が生まれた意味はこれだ、忘れてはいけないよ」と言われたかったのです。

生まれて来た意味がわからないことが、生きる自信のなさになっていました。
私のことを、みんな本心では邪魔だなと思っているのではないかな。
だから、母親はあんなに怒るんだ、きっと。
でも、それならどうして、私を生んでからすぐに捨ててしまわなかったのかな。

理容室で見つけた神さまからの返事

答えを見つけられないまま、中学生になっていました。
そして、事件が起きたのです。
理容室で何気なく見ていた雑誌の中に、探し続けた答えが見つかりました!
「人は、幸せになるために生まれて来て、生きている」
その時のショック…座ったまま腰が抜け、口も開いたままだったでしょう。
そうか、幸せになるために生まれて来たんだ。
幸せになれば良いのか。
ああ、ああ、心の底から安心していました。

その日から、あんなに恐ろしかった死への恐怖を全く感じなくなったのです。
その言葉を誰が言っていたでしょう。
きっと、神様が字にして見せて下さったのだと、今でも思っています。
神様は、人間全部、もちろん、あなたのこともしっかり見てくれています。
「お前は、私の言いつけどおり、幸せになろうって思って生きているかな」
そう問いかけていらっしゃる神様に、あなたは、どう答えられますか。

たったひとつの変化をしない存在

神様は、光、変化しないたったひとつのもの。
神様は、私たちを変化するもの、成長し老化して消滅するものと造られました。
神様の光は、いつも変わらず私たちを照らしてくれています。
そうです、人間全部のことをしっかり、厳しく見ていらっしゃる。
だから、自殺なんかしようものなら、神様をひどく悲しませ、怒らせるでしょう。
神様は、あなたを叱るために、どこまでも追いかけて来ます。
神様から、叱られて逃げる所など、宇宙のどこを探してもどこにもありません。
宇宙を何千年何万年も逃げ回る、そんな恐ろしいこと考えるのはお止めなさい。
ですから、悲しくても悔しくても怒っても、自殺は絶対に考えてはいけません。
わかりましたか。


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