12歳のSさんへの手紙



神さまの話


<Sさんは、学校の調べ物学習のテーマをニュージーランドにしました。その時出会ったマオリ族の
「HAKA」という詩。初めて読んだ時、とても不思議な気持ちがしました。この気持ちと、
この詩のことを誰かにきいてもらいたい・・・そうだ! みすぐり先生に手紙をかいてみよう!>


こんにちは。お手紙ありがとう。
マオリ族のHAKAは、仲間の英雄を称えた歌ではないでしょうか。
我ら囚われの身。 友は力尽きて死んでゆく。
俺は家族のため、仲間のために生き延びて国へ帰りたい。
見よ、俺達の、毛深い勇者が皆を光の世界へ導こうとしている。
今、俺達は、再び太陽の世界へ戻れるかもしれない、もう一歩だ。
ああ、遂に、我らの勇者が、俺達に太陽を取り戻してくれた。


なぜ、人は人を殺すのでしょう

戦士の役割は何だと思いますか。 動物ではなく、人間を殺す事です。
なぜ、人が人を殺すのでしょう。
自分の親が殺されたから?
子供がさらわれたから?
畑を奪われたから?

本当の理由は、人間は、そうとうな戦い好きの、生き物だからなのではないかしら。
人間同士はいろいろな戦いを好みますけれど、殺しあう戦争も大好きみたい。
戦士は、殺人の指示が出ると生き生きし、誰も殺さなくて良くなったらつまらなくなってしまう。
理由は何でも良いから、命令されて人を殺したい。
仕事をくれ、人を殺せって命令してくれ!
相手が憎いから殺すのではなく、殺したいんだ。
殺さなくては自分が殺されるかもしれないし。
今も、同国人同士殺しあう人達がエジプトに、イラクにタイに、ロシアにも・・・。
この静かな日本で生きていたら、信じられない人々の心ですね。

でも、日本人だって、いつまたそうなるとも限りません。
私たち女性は、平和で美しい国を護るため。
誰かが、Sさんの友達でいることに誇りを感じてくれていますように。
誰かが、Sさんのお陰でしあわせになれますように。
Sさんだけでなく、世界中の女性がそう願って生きたら、世界中平和でしょう。


神さまのお話をしましょうか

えっ、神様はいらっしゃるかですって?
神様がいらっしゃらなかったら、誰がこの世界を造ってくれたのですか。
山も海も河も、樹も、花も、動物も、魚も、虫も、蛇も、鳥も、そして人間も。
みんなみんな、神様が造られました。
神様は、音と一緒に世界を造られました。
その時、地上には山も海も河も森もあり、生き物は生活していたのです。
生き物は、男族女族が合体して命を産み出しながら寿命で死ぬ、
この輪廻転生のシステムに従って生活が続いていました。
このシステムから逃れられる生き物も物も地上には、初めからいないのです。
神様は「変化すること」を、世界の「真理」として造られました。
そして「真理」は変化しないのです。
この神様が造られた「真理」は、眼で捉えにくいですが、見ようとすれば見える。
早送りの映像で、植物の芽が育つ様子が見えるし、久しぶりに遭った友人の様子が変わったのも
感じて驚くこともありましょう。
トンボが羽化する時。 あっ、変身した!
世界の「真理」を眼で捉えられた瞬間の感動でした。


お互いの命を食べ合う

その上、神様はお互いの命を食べ合わなければ生きられないように造られました。
神様の意図は、「生きもの同士お互いを食べ合って命を維持しなさい」、なのです。
ですから生き物は、他の命を殺して食べるけれど、食べられることもある。
人間だって、誰かの食物でもあると思えば、恐ろしいことったらありません。
自分が動物に食べられる時を想像してごらんなさい。
あっ、喉に牙が食い込んだ、目の前に大きくて臭い口がガバと迫っている。
喉の奥から長い舌が伸び、牙が見え、唾液がダラダラしたたっている。
ああ、かじられる、食われるんだあ。 頭から?お腹から?どこから食べられるの?
止めて、止めて、お願い助けて! 神様、助けてください!

あなたがいくらそう叫んだって、神様がそのように造られたのですもの、助けて下さるわけはないでしょう。
人間だけが頭脳の力で、動物を食べるけれど、動物には食べられない工夫をした。
神様の意図の裏をかいているのですから、助けてくださるものですか。


では神様はどこにいらっしゃるのでしょう。

神さまの姿は見えるのでしょうかって、もちろん見えますとも。
ではどこにいらっしゃるかって?
あそこ、ほら、誰にでも、どこからでも見えるところ。
暗闇の世界を明るく照らして下っているではないですか。
あなたが動物に食べられるところも、しっかり照らしてくれていますでしょう。
世界に何が起きようと、「変化」が起きている間は神様はいらっしゃいます。
もし世界から生き物が死に絶え、「変化すること」がなくなったら、その時には神様もいないでしょう。
沈黙。
そんな時が来るのか、来ないのか。 神様がいない世界。
このことを考えようとした時、人間の頭脳は火傷で機能できなくなります。

では、神様はどこにいらっしゃるのか、考えても良いのでしょうか。
えっ、まだ解らないのですか。 神様は、あそこにいらっしゃるではないですか。
この上、神様はこれですって教えて欲しいのですって。
自分から考えようとしないで、ただ教えてもらいたがるお馬鹿さん。
では、地上にいる仲間を、心で感じてごらんなさい。
美しいなあ、強そうだなあ、傍にいたいなあ、良い香りだなあ、美味しそうだな。
そう感じるあなたも神様の子、感じられた相手も神様の子。


相手を感じた時、人は神様の力を感じられる、それが心の眼の力

では、ひとつだけ教えましょうか。
この世界は闇なのですよ、神様がいなければ。
神様がどこにいらっしゃるか、もう解りましたか。
いつも見守って下さるとは限らないけれど、いつも神様の力の中にいる、
それをはっきり意識できないものがいる としたら…人間なのでしょうきっと。

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